人間はそれぞれ性格が異なりますが、それが仕事の取組み方にも現れてきます。その例が、面倒な仕事や難しい仕事を先にやる人と、後回しにする人です。

先にやろうと後からやろうと、仕事を完了させれば同じことと思えますが、効率面からいうとそうとも言い切れません。それを唱えたのが「エメットの法則」です。

エメットの法則とは、『仕事を先延ばしにすることは、片付けることの２倍の時間とエネルギーを要する』というものです。

面倒な仕事を後回しにすると、再度取り掛かろうとする時にどうしても心のエンジンを掛け直すのに時間がかかります。また、時間が経ったことで、細かいデータや記録を忘れてしまい、『あれ、これはどうするんだっけ？』と思い出すのに時間がかかります。結果的に、最初からやり直すことにもなりかねません。

そして、面倒な仕事や難しい仕事に対する不安感は、仕事を実行することよりも多くの時間とエネルギーを消耗させます。知らないということに対する不安が時間とともに増幅し、それが余計に仕事への取り掛かりを遅くします。

ちなみに、後回しの原因には完璧主義が災いしていることもあります。知らないことで完璧なプランニングができないため、それが早く手を付けられない背景になっていることが少なくありません。

有名なことわざに、『案ずるより産むが易し』というものがあります。「新しいことを始める時には心配事が尽きないが、実際に行ってみると案外たやすくできてしまう」という意味です。

仕事はポジティブに考えた方がうまくいくことが多いものです。同僚も、積極的に取組んでいる人を手伝おうとする気になります。

とにかく、やってみることが達成を早める第一歩です。