2001年の4月4日、メジャーリーグで大記録が生まれました。
この日、日本人メジャーリーガー、野茂英雄氏がボルティモア・オリオールズの本拠地でノーヒットノーランを達成しています。

これは野茂氏にとってメジャーで2度目のノーヒットノーランであるだけでなく、長い歴史を持つ、この球場で初めてのノーヒットノーランとなりました。
というのも、2022年に改修されるまでは左中間がほぼ直線でつながっていて他の球場に比べて狭く、レフト方向にホームランが出やすかったためです。

野茂氏はメジャー1年目の95年にもロッキーズの本拠地でノーヒットノーランを達成していますが、こちらも標高が高いためボールが飛びやすく、これまでのところ野茂氏以外に達成者はいません。ピッチャーにとって条件の悪い2つの球場での記録達成は、日本人が思う以上にアメリカの野球ファンから尊敬を集めています。

そんな野茂氏ですが、渡米は容易ではありませんでした。当時日本人プロ野球選手がメジャーに行くルールはなく、日本で所属していた球団やプロ野球界との関係は悪化し、マスコミも敵に回してのメジャー挑戦となってしまったのです。成田空港から出発する時、見送りに来たのはわずかな人だけだったそうです。

アメリカに渡っても何の保証もなく、マイナー・リーグで若手に混じってのスタートでしたが、そこで野茂氏は純粋に野球を楽しむ日々を送り、何ら不安は感じなかったといいます。その理由について私は、野茂氏が社会人の頃から持ち続けていた、メジャーの舞台で活躍したいという夢に向けて着実に一歩ずつ進んでいるという実感があったためだろうと考えています。

お金も、これまで築いてきたステータスも関係なく、自分が心から実現したい夢に向かって進むことで、モチベーションも上がり、誰もが成し得なかった記録を達成することにつながったのでしょう。目標を持ち、着実に努力する中で、結果を残す。そしてさらにモチベーションを高めて進んで行く。私たちも、野茂氏がたどった道から学んで、日々を有意義に過ごせるよう、今日も仕事に取り組んでいきましょう。