虚実の間に真理が宿る

  • 追加
  • 源氏物語の話をしましょうか。

    源氏物語は莫大な質量の長編で、登場人物は主な人だけでも数十人。作品中に描かれた時間は大体60年を超える大作ですから、そちらには触れず、ワンシーンについて話します。

    物語の中盤で、光源氏は六条院という大邸宅を建てます。春夏秋冬を表す四つの御殿からなる豪邸です。ちなみに自身は「春の町」巽の方角に暮らします。

    夏の町には、花散里と呼ぶ温厚な女性を呼び寄せ、早くに母親を亡くした長男の母代わりになってもらっていました。この夏の町に一人のうら若い女性が加わります。玉鬘です。
    源氏の隠し子という触れ込みですが、実は実子ではありません。むかしの恋人の娘で、親友の娘でした。

    恋人寸前の謎な関係は最後まで続きますが、この二人のやりとり、というか源氏のセリフがとても興味深いのです。

    たとえば、

    日本書紀などの正史に書かれているのは、ただ表面の事例を並べただけですよ。これら「物語」にこそ、道理に叶い実情に迫ったことがあるのです。

    などと言っているのです。
    実は紫式部は幼い頃から六国史や四書五経、白紙文集など本格的な教材のある中で成長した学者の一家の出でした。その彼女が当時サブカルチャーとみなされていた、かな文字の小説を書いたのです。しかも「正史はただの公式記録に過ぎない」とその中で主人公に言わせている。

    実に興味深い。

    私たちの周囲にはネット空間が広がっています。虚実の判らない情報の大河です。何が事実かは判らなくても「感動」という主観だけは私たちの内にあるたしかなこと。船の舵だけは誰にも渡せない。ひとまず自分のことを信じて頑張っていきましょう。




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