続々 零戦の設計者・堀越二郎に学ぶ

  • 追加
  • 零戦が初めて世に出た時代、その性能は世界の戦闘機と比較して驚異的に卓越したものでした。

    零戦の優秀な性能にはいろいろありますが、代表的なものは航続距離と空戦能力でした。
    航続距離とは一回の給油で飛び続けることができる距離です。
    そして空戦能力とは空中格闘戦における飛行機の運動性能のことで、簡単にいうといかに身軽かということです。

    これら性能はエンジンの馬力や搭載燃料の多さなどにも左右されますが、最も根本的な要因は機体の重量でした。
    機体が軽ければ燃費の良い小さなエンジンでより早くより遠くまで飛ぶことができ、
    身軽で機敏な飛行も可能になります。

    堀越がもっとも苦労したのが機体の軽量化というこの課題でした。
    海軍が世界でも類を見ないほどの各種の高性能を求めた零戦の軽量化は並大抵なものではなく、
    普通一般的な軽量化手法では到底達成できる程度のものではありませんでした。

    あらゆる従来的手法はもちろん、新技術・新素材をつぎ込んでもまだ足りません。
    悩みに悩んで堀越が考え付いたのが、誰も行ったことのない奥の奥まで踏み込むことでした。

    それは従来のしきたりや規格や制度を神格化しないで光を当てることでした。
    設計や製造をする上で当然なものとしてそのまま受け入れて、検討もせずにいたものも彼は再検討しました。

    その一つが飛行機設計上の基準のうち、強度を規定する安全率がでした。
    それは機体を構成する部品の強度を一律の数字で規定するものです。

    しかし部品の形状や素材は様々ですから、それが破壊する時の加重は一様ではありません。
    それを一つ一つ詳細に検討してみると、実用強度を保ったまま安全率を下げられるものも多数あったのです。

    常識や当然の名のもとに、顧みることなかった部分にも疑いの目を向ける。
    それは技術や研究の世界では案外大切な視点なのかもしれません。




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