風の吹かない時に凧を揚げる価値
朝礼ネタ1902 2021/01/01 名言・格言身近な法則自己啓発世界企業トヨタを含むトヨタグループの創始者・豊田佐吉は、慶応3年(1867年)遠江国敷知郡山口村(現在の静岡県湖西市山口)で生まれました。
佐吉は機織機(はたおりき)の改良や発明に大きく貢献し、名古屋で織機製造会社や紡織会社を経営して起業家として大成功を納めます。
トヨタ自動車は、佐吉が経営していた豊田自動織機製作所の自動車部として発足しています。
佐吉の企業人としての活動は名古屋でしたが、功成り名を遂げた後も故郷を大切にし、また故郷の人からも愛されて現在も豊田佐吉記念館が湖西市にあります。
湖西市を含む遠州の広い範囲では凧揚げが盛んで、浜松まつりなどが有名ですが、佐吉も凧揚げが好きでした。
しばしば故郷に帰省しては、地元の若い衆を集めては酒肴を振舞い、凧揚げをして貰って楽しんだそうです。
帰省したある日も佐吉は凧揚げを頼みましたが、その日は折悪く無風。これでは凧は揚がるない、無理だと皆が言いました。がしかし佐吉は諦めません。
何度も繰り返し挑戦させて、とうとう揚げるのに成功させてしまいました。
皆が大喜びする中、佐吉も大満足で「風が吹いている時に上るのは当たり前。苦しい時に揚がってこそ値打ちがある」と呟いたといいます。
これは苦労を重ねて起業した経験で得た佐吉の哲学だと言えます。
事業や仕事においても、順風の時に上手く行くのは当然で、それで満足するのでは決して事業で成功したとは言えない。
逆風の中で勝ち残ったものだけが本当の勝者だと、佐吉は考えていたのだと私は思います。
私が凄いの思ったのは、仕事でのそんな信条が私生活の楽しみの場でさえ発揮されるのは、それは頭で理解したものではなく、文字通り「心底」佐吉に根付いていたからだろうという事です。