野生動物とどう関わるか
朝礼ネタ1604 2021/01/01 マナー安全熊本県のマスコットキャラクターであるくまモンを知っている方は多いと思います。
丸い目と赤いほっぺが特徴的な、大変かわいらしいキャラクターです。
一方、夕張市にはメロン熊というマスコットキャラクターが存在します。
くまモンと同じクマのキャラクターでありながら、牙を剥き出したその姿は非常に恐ろしいです。
クマという動物は、かわいらしさと恐ろしさという相反する感情を我々人間に抱かせる動物のようです。
動物園など、安全が保証された場所で見るクマはかわいいものです。
しかし、檻で隔てられていない状態でクマと遭遇したらそれはもう恐怖です。
実際、クマが人里に現れたり、人間を襲うという事件は日本ではそれほど珍しいものではありません。
では、クマが悪いのかと言えば、決してそういうわけでは無いのです。
1990年代のことです。知床の国立公園で、観光客が野生のヒグマにエサを与えるようになりました。
人間のことを「食料をもたらす存在」だと認識してしまったこのクマは人を恐れなくなり、やがて市街地に出没するようになりました。
そして、小学校の近くに現れたクマは、人間の子供たちを守るために、射殺されることになってしまったのです。
クマにエサを与えた観光客に悪意は無かったのでしょう。むしろ好意からの行為だったのかもしれません。
しかし、結果的に人間と野生動物との間の適切な距離が保てなくなり、罪のない一頭のクマが命を奪われることとなりました。
良かれと思ってやったことが悲劇に繋がることもあります。
我々人間は、野生動物との関わり方についてきちんと考えなければならないと思います。