東郷平八郎が教える現場主義の大切さ
朝礼ネタ4583 2021/02/08 尊敬する人経営自己啓発東郷平八郎司令長官率いる連合艦隊は、
日露戦争・日本海海戦で大国ロシアのバルチック艦隊に、
世界の戦史的に見ても稀に見る完全勝利を果たしました。
その勝因の一つは、事前の猛訓練による将兵の士気と練度の高さでした。
それは例えば、通常訓練では1年分以上の砲弾数を、
たった10日間で使い切ったほどのものでした。
昼夜の別ないその激しい訓練に、司令長官である東郷自身が、
単なる一時の視察ではなく、ずっと立ち会っていたといいます。
数多の歴代連合艦隊司令長官のうち、
麾下将兵の訓練にここまで随行した長官は他にはいませんでした。
異例とも言えるこの東郷の行動には目的がありました。
彼は、実際の戦場となる海上における、
主力艦の砲撃命中精度とそれに深く関係する艦船同士の距離感を、
体感会得しようとしていました。
そしてその精密正確な感覚が、
大胆不敵な敵前回頭である東郷ターンを成功させました。
東郷ターンは、敵艦隊群の進路を塞ぐように自艦隊の戦列を進めるT字戦法の一つで、
その難しさはターンのタイミングでした。
ターン開始が早いと敵の前を生き過ぎてしまい、
遅いと敵艦隊列とぶつかってしまいます。
さらに自軍艦船の砲撃精度が最も良い距離を保つようにターンするには、
単なる計算ではない、勘ともいえる感覚が必須でたったのです。
現場で働く人たちの能力を高めることはもちろん大前提ですが、
その現場に即した明確的確な支持命令を上司が出すためには、
現場を熟知しておくことが不可欠だと、東郷は教えてくれています。