自由闊達の社風を作るためには
朝礼ネタ2522 2021/01/01 コミュニケーション教育経営自由闊達な社風といえば、上下に関係なく自分の意見を発し易い会社なのでしょう。
そういう会社は社員同士や上司部下の仲が良く和気あいあいで、
楽しく仕事が進められる会社だと得てして思われがちです。
自由闊達な会社の代表例のような会社が、ウォークマンなどユニークな商品を出し続けるソニーです。
さてそれではソニーは和気あいあいの楽しい会社なのでしょうか。
ソニー5代目社長・大賀典雄はベルリン国立芸術大学を卒業した本格的な声楽家で、
大賀はその張りのあるバリトンで「お前はクビだ!」と、口癖のように部下を怒鳴り散らしたといいます。
しかし部下たちは、そう怒鳴られた回数が勲章だとしていました。
怒られるのは見込みのある証拠で、大賀から指名されて次期社長に抜擢された出井伸之は、
大賀からそれまで20回以上「クビだ」と雷を落されたそうです。
これはソニーが単に和気あいあいな会社ではない証拠です。
また一方で、面白と思ったら上司に反対されても内緒で開発すればよいと、
ウォークマン開発を担当したある技術者が言ったといいます。
それで失敗すれば、闇から闇へ葬れば良いというのです。
やはりかなり自由度の高い会社ではあるようです。
それでは普通なら部下が委縮してしまいそうな怖い社長を輩出しながら、
なぜ自由闊達な社風が守られるのでしょうか。
そのポイントは、上司に怒鳴られても否定されても、
挫けずに信じた道を行くしたたかな社員を発掘し育てることなのではないでしょうか。
自由闊達な雰囲気を作るということは、物分かりの良い上司になることではなく、
自らの信じるところを貫こうとする根性のある社員がいることのようです。
しかもそんな扱いにくい部下を自在に操れるだけの度量と能力を、上司は持たなければなりません。
自由闊達とはなかなかに難物ではあります。