先輩の姿

  • 追加
  • 私が入社したての新人社員だったころ、Kさんという先輩がいました。

    Kさんは私を早く一人前にしたいが故か、または単に自分の手間を省くためか、私にあれもこれもとたくさんの仕事をおしつけてきました。

    はじめは新人社員としてがんばろうと張り切っていた私でしたが、Kさんの要求に耐えきれなくなって、ついに反抗してしまいました。いわゆる切れたというやつです。

    「Kさん、私にはもうそんなつまらない仕事はさせないでください。手間も時間もかかるしもっと別の仕事で頑張らせてください」

    てっきりKさんは怒るのかなと思っていましたが、意外にも静かな口調で、「そうか、ちょっと考えておくわ」と言われました。

    それから少し時間がたったのち、会社の終業のカネが鳴りましたので、私はいつものようにKさんに挨拶をしてから帰宅しようとしたのですが、その日はKさんの姿が見えません。どうしたものかと探し回りまして、しばらくしてKさんの姿を見つけた私はハッと息をのみこみました。

    なんとKさんが先ほど私が切れてイヤだと言った仕事を黙々としているではありませんか。私は恥ずかしいやら申し訳ないやら何とも言えない気持ちになりまして、思わずKさんのところへ駆け寄りました。

    私「Kさん、もうやめて下さい。この仕事は私がやっぱりやりますから。」
    Kさん「実はね、自分はこういう仕事が昔からけっこう好きなんだよね。だから気にしないでもいいんだよ。」

    その後、私の仕事に対するモチベーションが何倍、いや何十倍も跳ね上がったことは想像に難くないと思います。

    先輩が後輩を指導するときはあれこれうるさく言ってもダメなんです。自分で真摯な姿を見せることが大事だと思います。




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