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マングース導入の失敗から学ぶ

  朝礼ネタ1628  2021/01/01  地域情報安全

皆さんはマングースという動物を知っているでしょうか。
様々な種類がありますが、そのうちの一種、フイリマングースの話をしたいと思います。

フイリマングースの原産地はネパールやバングラデシュといった南アジアで、元々日本には生息していませんでした。
しかし、人の手によって奄美大島や沖縄に移入されてしまったのです。

その理由の一つがハブ対策です。南西諸島に生息するハブは日本を代表する毒蛇の一種であり、咬まれれば命を落とす恐れがありますし、一命を取り留めたとしても後遺症が残る場合もあります。
今は血清があるため、咬まれて死亡するということはまずありません。しかし、血清がまだ作られていない頃は、今よりも遥かに恐れられていたであろうことは想像に難くありません。

しかし、フイリマングースは別に毒蛇だけを専門に食べる生き物ではありません。雑食性であり、昆虫や小動物など様々なものを食べます。
わざわざ危険なハブを狙わずとも、南西諸島にはもっと簡単に捕まえられる小動物がたくさんいたわけです。
結果的にフイリマングースは南西諸島に生息する固有種や希少種を食べまくり、生態系に被害をもたらすことになってしまったのです。

ちなみに、沖縄に初めてフイリマングースを導入したのは、動物学者の渡瀬庄三郎です。
東京帝国大学、つまり現在の東京大学の教授を務めた人物であり、日本哺乳動物学会の初代会頭でもありました。
動物をよく知らない素人ではなく、動物の専門家とも言える人物です。
マングース導入の失敗からは、専門家でもミスを犯しうること、そして権威ある人物の行いだからといって正しいとは言い切れないということを学べると思います。

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