ヒヤリハットで危険の芽を摘み取ろう
朝礼ネタ1416 2021/01/01 安全身近な法則我々製造業で、生産、品質、安全この3項目はつきものですが、大事な順ってわかりますか?
そう、安全第一、品質第二、生産第三、ですよね。
でも、実のところ、皆さん生産第一でやってませんか?
だって、これまで生産優先でさんざん無理なことや危険なことをやってきているのに、1回も災害に遭遇してない。
だから今後も生産優先でやっていけるはず、、なんて思ってませんか?
考えてみましょう。
13年前の2005年4月25日に起きてしまった、JR西日本の福知山線脱線事故。
列車の遅れを取り戻そうと、運転手は速度超過による回復運転をしたが、たまたま遭遇した急カーブを曲がりきれずに線路脇のマンションに飛び込んで脱線。
数多くの死傷者が出て、生存者も未だに電車のトラウマが消えない、という話を聞きます。
当時も安全第一であったはずです。でも生産優先になってきたら、それはいともたやすく破棄されていたのです。
なぜでしょうか?
そうです。速度超過による回復運転は何度も何度も日常的に行われていて、一度も災害に遭遇していないからなのです。
でも、何らかの形で怖い思いをされた運転手の方はたくさんおられるはずです。
ハインリッヒの法則、ってご存知ですか?
1件の甚大な事故災害が起こる背景には、29件の軽微な事故災害があり、その前に300件のヒヤリハット事例がある、という仮説です。
福知山線脱線事故についていえば、それまでの数多くの列車遅延時の回復運転で数多くの運転手が怖い思いや、軽微な事故を起こしているはずです。
その怖い思いをした運転手が、結果オーライではなくて、事故疑似体験として組織に報告し、再発防止策を取っていれば、この甚大な事故は防げたはずです。
組織に報告しなくても、それまで全ての場合、死傷者が出るほどの事故には至らなかった。かなり事故になるにはかなり少ない確率なのですから。
でも、言えることはただ一つ、確率が有る以上、確実に事故災害に遭遇する、ってことなんです。
ヒヤリハット経験を組織に伝え、再発防止策をして、危険の芽を摘み取る、これを必ず実行しましょう。
自分の身だけでなく、同僚の身を守るためにも。