「地獄に目がけて突進しなさい。地獄は克服できるのです」
朝礼ネタ4625 2021/03/22 名言・格言尊敬する人今日は詩人ヘルマン・ヘッセが遺した「地獄に目がけて突進しなさい。地獄は克服できるのです」という言葉について紹介していこうと思います。
皆さんはヘルマン・ヘッセという作家をご存じでしょうか。ヘルマン・ヘッセは20世紀前半に活躍したドイツ文学者で、有名な作品は「デミアン」や「荒野のおおかみ」などです。しかしその人生は苦難に満ちたものでした。
13歳の時に詩人になると決意したものの、両親からも学校からも理解されず、衝突を繰り返して当時入学していたエリート神学校を中退しました。しかしそれから新しい学校に入学してもなじむことができず、かといって働いても長続きしなかったそうです。果てには精神科病院に入れられてしまい、自殺を試みた事があります。
何とか詩人として認められた後にも受難は襲いかかりました。勃発した第一次世界大戦にて戦争賛美の風潮に背いたとたん、ドイツのマスコミから非難されてしまい、友人からも見捨てられてしまいます。それからもスイスでの戦争捕虜援護活動の激務や父の死、家族の病気など不幸に見舞われたヘッセはついに精神障害になってしまいました。
しかし彼はあらゆる苦しみから逃げようとせず、その苦しみに飛び込んでいくことで再起したのです。実際に50歳を過ぎてからというもの、ヘッセは一念発起し、祖国と家族に別れを告げてスイスに移住しました。同時に作風が変わった彼の作品は穏やかで優しく、誰かを励ますためにあるようなものばかりです。
残念ながら、どのような時代を迎えたとしても悩みや苦しみは絶えません。その悩みと苦しみとの付き合い方は人それぞれですが、決して希望を捨ててはいけないと思います。地獄の底で笑うのはよほどの意思がなくては難しいですが、それでも「今日も生きていこう」という意欲を持つだけでも立派だと思います。