先日骨董市を覗いてきました。

見慣れないものがあったので店主に尋ねると、卓掃(たくそう)に使うものでした。ゆうなれば箒とちりとりを手の平サイズにしたもので、曲線の美しいレリーフが施された銀製のものでした。ブラシ部分は馬の尻尾の毛で作られた見事な工芸品でした。

具体的にいつ使うのかと聞くと、肉料理の後デザートの前に卓上のパンくずを払うものだそうです。パンは食べれば必ずパンクズが散るものなので、こういった道具が必要だったとのこと。ちなみに、皿を下げた後、というのがデザートの語源だそうです。

このあたりの感覚は、米飯を食べる日本の食文化との違いでしょう。米粒には7柱の神様、と聞かされて育ち一粒も残してはいけません、と言い聞かされていると、同じ主食のパンならば、同様にこぼしてはならないと思いつい拾ってしまいそうになります。

興味深いのは、同じ米飯を食べる中国のテーブルマナーです。「十分にもてなしていただいたので満腹です。」と表すために一口ぶん残すのがマナーとのこと。

皆さん、レンゲでチャーハンを食べた時、最後のひと匙が上手くすくえますか?

出来ませんよね?私も出来ません!

実はあれは「じょうずに一口分を残すため」敢えてすくいにくくなっているそうなんです。これは意外でした。

食事のマナーとは、ともに食事をとることでコミュニケーションを図るためのツールに過ぎません。様式美を追求することではないのです。異文化に接した時、何らかの儀礼がある時にはあらかじめそれを知っておくことでトラブルを回避できます。無作法とは知らないこと、ではなく知ろうとしないこと、ではないでしょうか?