一「生」懸命は、本当は一「所」懸命が基の言葉です
朝礼ネタ2148 2021/01/01 故事ことわざ自己啓発「一生懸命」という言葉を知っていますか?と聞かれたら、ほとんど全ての人は「はい」と答えますね。
では「一所懸命」ではどうでしょう。知らない方も結構いるのではありませんか。
一生懸命の元々の本来の言葉が一所懸命なのです。これは武士の心構えを表した言葉です。
昔の日本の経済の根本は米でした。勿論お金による貨幣経済も在りはしましたが、そのお金を生む基はお米でした。
商業・鉱工業などもお金を得る業態でしたが、その規模は現代とは比べ物にならない程に小さく、圧倒的に経済の基礎は米の生産に負っていました。
そして米の生産には必ず土地が必要です。従って米を生産する土地の所有が多い程その人間は裕福であるということになります。
そんな土地の所有者が即ち武士なのです。
武士は、自分のみならずその家族や一族郎党の生活を維持する為に、持っている土地を守らなければなりませんでした。
その土地は先祖が営々と維持して来たものでもあり、単に生活に必要というだけではなく、○○家という様な家の伝統や誇りの象徴として存在し、その維持を何にも優る最優先事項として捉えていました。
つまり一つ所であるその土地を守り維持して行く為には自分の命を懸けなければならなかったのです。
私はこの言葉の現代における意味を、目の前に存在する行うべき事柄に命を懸ける程に熱心に取り組む事であると読み解いています。
それは時にトイレ掃除かもしれません。本来の自分の仕事ではないお茶汲みの場合もあるでしょう。
でもどんなにつまらないと感じる仕事であってもそれをする事になった以上、どうせやらなければいけないのなら適当に誤魔化すのではなく、誠心誠意一生懸命果たす方が良いと思うのですが、これってクソ真面目ですか?
あなたはどう思いますか?