マナーとは、誰のためにあるのでしょうか
朝礼ネタ1977 2021/01/01 コミュニケーションマナー規則・ルール様々なマナーが存在しますね。
社会人としてのマナー。
食事の際のマナー。
国際人としてのマナー、などです。
さて、このマナーというとき、誰のためのマナーであるのかを、考えたことはあるでしょうか。
様々なマナーのための解説書やマニュアルが販売されているので、
マナーは自分のために存在する。
と感じている人が多いかもしれません。
しかし、マナーというのは、実は、
その場にいる人々。
本日の主役。
そして、その場(を提供してくれている人々)。
のために、本来はあるものなのです。
おもしろい例があります。
あるカップルが素敵なレストランでディナーをしようとしています。
それぞれがお洒落な装いに身を包みました。
しかし、男性はその場にそぐわないマイバッグをつい、普段の習慣で手に提げてレストランに入ってしまいました。
マイバッグとは、お買い物をするときに普段男性が使用しているバッグで、くたくたにくたびれていました。
自分がマイバッグを提げていることに気づき、気まずく感じた男性は、
レストランに入店直後、その場には明らかに不釣り合いなそのマイバッグを、
何と!パートナーの女性につい、ひょいと、持たせてしまいました。
どうですか、自分ひとりのことだけを考えた、とっさのこの行動と、
似たような行動をとってしまった経験は、ありませんか。
女性は悲しくなりますね。
なぜなら、せっかくお洒落をしてきたのですから。
その夜や、お店にふさわしい佇まいでありたい気持ちは、男性と同じなのに。
ここで男性は、本来であれば、お店のスタッフに、
「誤って持参してしまいました。
退店時まで、預かっていてもらえませんか」
と、伝えることができれば、女性を悲しくさせることはなく、マナーに叶いましたね。
こういった、
自分だけの利益や見栄を優先している“マナー違反”が、
実は、ビジネスにおいて、とても目立っています。
気付いていないのは、本人だけ、というケースは多くあります。
マナーを知らないことよりも、
その場にいる相手、
その日の主役、
その場の状況や雰囲気を、
自らだけが良く思われようと壊してしまうことの方が、
はずかしいことです。
逆に言えば、
自分以外の周囲が、いつでもしっかりと視野に入っていれば、
マナーを多少知らないことなどは、
マナー違反にはなりません。
食事のマナーを知らず、困っている人と同席をしたら、
笑顔でそっと、その人だけに、
マナーを伝えてあげられる。
そういった気持ちを備えた大人が、
ほんとうの意味で、マナーを分かっている人なのですね。