虻蜂取らずと一石二鳥
朝礼ネタ1647 2021/01/01 故事ことわざ反対の意味を持つ二つのことわざの例として、虻蜂取らずと一石二鳥が、よく例にあげられます。
でも、次のように考えてみたらいかがでしょうか。
新しく何かを始めようというときに、あれもこれもと欲張ってしまうと、結局は何も身に付かない。まさに虻蜂取らずに終わってしまうのではないでしょうか。
だからといって、とりあえずは一つだけ始めてくださいというのではないのです。
いくつも同時に始めようと思うほどの意欲を、まずはすべて一つに、集中させるのです。
せっかく一つに絞って始めたことなんだから、徹底的に、極めてやろう。とことん深めてやろう。
そういう気持ちで、ことを始めるのです。
そして努力の甲斐があって、何とか一つのことではあっても、極めるまでとは言わずとも、自分が納得するレベルまで到達したとします。
その結果、得られるものは、決して一つではないでしょう。
自分が打ち込んだ一つのことに関連する色々なことが、同時に収穫できているはずです。
とりあえずはジョギングから始めよう、だったとしても、極めようとすれば、色んなことが気になるはずです。
どのようなフォームが理想なのか、あの人のフォームは無駄がないな、またジョギング後にはどんな食事をするべきか。
その結果として、体力がついたというジョギングの直接的効果の他に、栄養バランスについての情報が増える、一緒に走る仲間ができる、テレビの陸上中継の見どころが増える等、たくさんの収穫があるはずです。
何となく色んなことを始めても、虻蜂取らずに終わってしまう。しかし、たった一つのことでも徹底的に、極めれば得られるものは決して一つだけではないんだと。
こう考えてみると、この二つのことわざは反対の意味ではなく、二つセットで、私たちに教訓を授けてくれていると思えるのです。