相手を想う「想像力と感受性」を磨く
朝礼ネタ1421 2021/01/01 コミュニケーション社会・経済世の中は高齢化社会がどんどん加速しています。
長寿は誠に素晴らしいことですが、果たしてどれだけの方が喜ばしい老後生活を送っているのでしょうか。
介護問題については、様々な観点から話題になり議論されています。
色々な悲惨な事件事故も耳にしますが、しかしながら多くの介護施設では、
職員の皆さんが懸命にケアに努めているのではないでしょうか。
私たちは皆、年を取ります。これは紛れも無い事実です。
若い時は、自分が老人になることを想像することも考えることもなかなかないでしょう。
経験や体験したことがないことを想像するのは難しいです。
しかし、これからの介護には「想像力と感受性」が必要だと思います。
いかに相手の立場になって考えられるか。
ご老人たちにも若かりし頃がありました。活発に動き活躍した時代がありました。
白髪になり、足腰が不自由になった姿からそれを想像するのは、
経験していない者には難しいかもしれません。
でも想像してみる努力はできます。
ある90歳のおばあさんが入院した時のことを語ってくれました。
彼女はピアノの先生で、倒れる寸前まで子供たちに指導していたのですが、
入院先では、90歳の老人という肩書きだけで見られ精神的に屈辱を受けたと。
老人になると、これまでの人生の背景が見られなくなってしまうのです。
ひとくくりに「老人」とだけで扱われ、身体的なケアはしてもらえるけど、
精神的には寂しい思いをしていることがあるのです。
人間的な尊厳を損なわれることで、一気に気力をなくすることもあるのです。
相手の立場を想像すること、相手の身になって考えられること、
そしてそれを受け止める感受性、感性があることが大事ではないでしょうか。
これは介護だけでなく、子供の世界や一般の社会にも言えます。
相手の痛みや苦しみが想像できないからいじめに繋がる、
他人の思いを同じように感じることができないから、心ない言動をしてしまう。
想像力と感受性は、人間だからこそあるものです。
どんな人にも備わっている素晴らしいものです。
それを磨いて使う、使う努力をすることが大事なことではないでしょうか。