私には何人か、尊敬する人がいます。そして、今までその人たちのようになろうと努力してきましたが、最近はそれはやめた方がよいと思うようになりました。

理由は２つあり、その１つは、どんなに尊敬できる人にも、やはり欠点があると気がついたからです。尊敬する人のことは気になってしまい、ついついいろいろ知りたくなるものですが、その人のことを知れば知るほど、私と同じで何らかの欠点を持つ、同じ人間なんだと思うようになったのです。さすがに欠点を真似しようとは思いません。だから、その人のすべてを真似する必要はないのだと思います。

もう１つの理由は、その人たちは結局、唯一無二の存在だから尊敬に値するのだと、気がついたからです。人格が優れている人、偉業を成し遂げた人など、私が尊敬する人にもいろいろなタイプな人がいます。しかしその共通点として、他の人とは違う個性や優れた点がある、という点が挙げられると思うのです。そしてそうであるならば、やはりその点からも、私がその人たちを真似することに意味はないでしょう。私にも何らかの、個性や優れた点があるはずです。ですから、それを磨き、自分自身が唯一無二の存在になることで、私もようやくその人たちと肩を並べることができるのではないでしょうか。

逆説的ですが、尊敬する人のようになりたければ、その人を目指すのではなく、その人を参考にしつつも、自分なりに自分を高めていくしかないのだと、最近は思っているのです。