あなたは、自分が知っていると思っていることを、本当に知っていますか?
朝礼ネタ4884 2021/11/23 尊敬する人自己啓発ホンダの創業者・本田宗一郎氏の、知る人ぞ知る趣味は絵を描くことでした。
氏がその趣味を始めた頃の、
自宅の庭に植わっている松の木のスケッチをした時の話があります。
木をスケッチし始めて首を捻ることになったと、氏は述懐しています。
その松の木は朝に夕に毎日のように眺めている庭木です。
だからその木の様子形の、隅から隅まで全てを知っているはずでした。
しかし葉の茂り方、枝振り、幹の形などを描いていて、
毎日飽きるほど見て知っているつもりの松の木について、
実は何も知らなかったことに気が付いて、氏は愕然としたというのです。
またある時、牛の畜産農家の人と話をしていて、
牛の耳がどんな風にどこについているかという話題になった折に、
その人が牛の耳について正確には覚えておらず、
後に牛には何の関係のない画家に同じ質問をすると、
「角の下のこの部分に・・」と正確に即答したの印象的だったと述べています。
画家はさまざまなものをスケッチするので細部を知っているのだそうです。
しかし牛の世話をする農家にとって耳のある場所などは特に重要ではなく、
牛の毛並みや肉付きや動き息遣いこそが重要なのです。
そんな体験があって氏は、「知っている」ということについては慎重になったそうです。
何げなく身のまわりにある事柄について、人はつい知っているつもりになったしまうのですが、
しかし実は何も知っていない。
そのことに十分留意するよう気を付けていると語ってします。
仕事に関わる大事なヒントは、
身の回りでいつも見聞きしている事柄の中にあるのかもしれません。