「出藍の誉れ」「青は藍より出でて藍より青し」の真意とは
朝礼ネタ4700 2021/06/02 故事ことわざ「出藍の誉れ」という故事があります。これは、生徒が先生よりもすぐれること、弟子が師よりもえらくなること表しています。
似た表現として、中国戦国時代の儒学者・荀子は、「青い色の染料はあいぐさから作るが、できた青色はもとのあいぐさよりも青い」と述べています。これは「青は藍より出でて藍より青し」という言い方もされます。
昔、青い色の原料として使われていたあいぐさは、東南アジアを原産とする一年草です。日本には6世紀ごろに伝わったとされています。植物であり、そのもの自体はさほど青くありません。むしろ可愛らしいピンクの花を咲かせることもあるそうです。
あいぐさが先生、出来た色が青色が生徒にあたり、学問や鍛錬を重ねた生徒が恩師よりも優れること、元の藍がより深い色の青を生み出すことを例えています。
一見すると、優秀な弟子が師を超えてしまった、師の力量がそれほど大きくなかったようにも映りますが、決して荀子はそのような意味で述べたのではないようです。荀子の著書には、「氷は水之を為りて水よりも寒(つめた)し」と続きます。
つまり、水よりも冷たい氷を作り出したのは水であること。氷は水より冷たいけれども、それは同一のものが状態・形状を変えたものであることを述べているのです。
荀子は、「青が藍より優れているのではなく、藍によってより深い色味を生み出した青が作られた」と考えたのではないでしょうか。
ここには荀子の、弟子を立派に育て上げた「師」への尊敬の念、「出藍の誉れ」への真意が表れているように思います。
最後に藍の花言葉を紹介します。「あなた次第」だそうです。これまでの話と何か関連めいたものを感じないでしょうか。