日銀における政府からの独立性が重要な理由
朝礼ネタ4441 2021/01/01 社会・経済日本の経済の発展と安定を担う機関に日本銀行があります。
通称、日銀と呼ばれています。
日銀は1882年に設立された日本の中央銀行です。
日銀の主な業務は銀行券である紙幣の発行、通貨調整による物価の安定、そして健全な経済成長を目指すことです。
また、民間銀行間における円滑且つ安定的な決済をできるようにすることで、金融機能の保護の役割も担っています。
日銀に最も求められているのが独立性であり、政府の資金調達からの分離が重要な意義となっています。
それは、日銀が設立された経緯にあります。
明治時代に起きた西南戦争において、当時の明治政府には戦費を賄うだけの十分な財源がありませんでした。
そこで、政府は紙幣を大量に発行してその支出に充てますが、その結果激しいインフレを引き起こしてしまいます。
手元に自由にお金を生み出せる道具があると、麻薬の誘惑と同じように、コントロールできなくなる危険性があります。
そこで、当時の大蔵卿(現在の財務大臣)だった松方正義はヨーロッパにならい、政府から分離独立した日銀を発足させます。
紙幣の発行を日銀に行わせることによって、通貨価値の安定を図りました。
ところが、日銀の分離が意味の無くなる事態が太平洋戦争時に起きます。
太平洋戦争のさなか、政府は軍事費を調達するため、政府が大量に国債を発行し、それを日銀に購入させます。
当然、政府は財政赤字が膨張するという失敗に陥りました。
それを反省して、日銀による国債の引受けを禁止する法律が設立され、現在に繋がっています。
しかしながら、デフレ脱却の目的から通貨を市場にばら撒くため、日銀が市場から国債を購入しているのが現在の実態です。