頑丈な金庫は単純な造りになっている
朝礼ネタ4401 2021/01/01 商品・サービステレビの刑事ドラマでは時々、泥棒が金庫から現金や契約書類などを盗むシーンが出てきます。
金庫は耐火性能と防盗性能を備えていなければならず、どちらかの性能が欠けても金庫と呼ぶことができません。
どちらに重点を置いているかで、耐火金庫か防盗金庫かに分けられます。
町のホームセンターなどでよく見かける金庫は、主に耐火金庫になっています。
耐火金庫は、中に保管されている紙幣や書類などを火災による焼失から守ることを目的としています。
絶対に金庫内に火が回らないようにするため、相当複雑な構造になっているように思えますが、実は意外と簡単な造りになっています。
耐火金庫の本体は「気泡コンクリート」という材質でできています。
表面の頑丈そうに見える鉄は、1mm程度の厚さしかありません。
気泡コンクリート自体に耐熱性がありますが、さらに気泡の中に水を含ませています。
火災が起きると、その火の熱によって水が蒸発することで発生する気化熱を利用して、内部の温度の上昇を抑えます。
そして、気化した水蒸気が金庫の扉の隙間から外に放出されることで、炎や熱風が金庫内に入ることを防いでいます。
耐火金庫は見た目では、半永久的に使えそうに思えますが、実際には耐用年数が決められています。
年を経るごとに、気泡コンクリートに含まれている水分が少しずつ蒸発するため、耐火性能が低下します。
製造後20年も経つと、水分が20%程度無くなるため、本来の耐火性能が無くなります。
ちなみに、耐火金庫として販売する場合は必ず、日本工業規格(JIS)の加熱試験と衝撃試験に合格しなければなりません。