チームを強くする「第三ゴールキーパー」の役割
朝礼ネタ4311 2021/01/01 スポーツワールドカップなどのサッカーの国際大会で、通常代表チームに選出される
ゴールキーパーの人数をご存知でしょうか。それは「3人」です。
11人でやるサッカーの中でも1人しか試合に出場できないゴールキーパーで、
多くても全6~7試合の国際大会の間に3人目のゴールキーパーが試合に出ることは、
大きなアクシデントでもない限り、まずありません。
しかし、チーム全体の底上げを行うのに一番重要なのが「第三ゴールキーパー」
であるということは、サッカー関係者の間ではよく言われています。
第三ゴールキーパーの仕事は、おもに主力選手のシュート練習の相手や、
紅白戦で控え組に入ってのコーチングなどとなるのですが、これに加えて
もう一つ大きな役割が、主力選手と控え選手の橋渡し役、少し離れた
視点からのアドバイザーとしての役割です。
このようなチームの底上げを促す縁の下の力持ち的な仕事が求められることから、
第三ゴールキーパーには、指導者により近いキャリアを持つベテラン選手が
選ばれることが多いです。
たとえば、日本代表が初めてワールドカップに出た1998年のフランス大会で
日本の第三ゴールキーパーを務めたのは、まだ20代前半だった主力の川口能活選手や
楢崎正剛選手に対して、当時すでに32歳になっていた小島伸幸選手でした。
この大会で日本代表は3戦全敗という結果に終わったものの、小島選手はそれまで
精神的支柱としてチームを支えてきた三浦知良選手が外れた穴を埋め、
当時まだ若手でチーム内でぶつかることも少なくなかった、チームのエースでJリーグでの
チームメイト、中田英寿選手をチームに溶け込ませたり、同じくゴールキーパーだった
川口能活選手や楢崎正剛選手への献身的な指導を行いました。
この功績は、20年以上たってもなお、サッカーファンのなかでは語り草です。
その後、15年近くにわたって川口選手と楢崎選手が日本代表の
ゴールを守り続けられたのは、この時の小島選手の支えが
あってこそとも言えるのではないかと思います。
私たちの仕事もまた、誰かの縁の下の力持ちになるということが
多いのではないかと思います。縁の下で力を発揮した分、チームとしての成果が
より大きくなると常に念頭に置いて、日々の仕事に取り組んでいきましょう!