契約書に収入印紙が貼られていない契約は無効か
朝礼ネタ2654 2021/01/01 社会・経済規則・ルール契約書には必ず収入印紙を貼ります。
印紙税法で定められている収入印紙を貼っていない契約書は法律違反となります。
それでは、収入印紙を貼っていない契約書の契約も無効になるかと言うとそんなことはありません。
法律に違反しているのは収入印紙を貼らなかったという事実に過ぎません。
つまり、契約内容が問われているのではなく、あくまでも課税文書に対する税金を納めていないという納税の問題です。
例えば、税金を滞納している会社の取引が無効にならないのと同様、収入印紙を貼っていない契約書が無効になることはありません。
そもそも、民法においては契約は口約束でも成り立つとされており、契約書の有無は関係ありません。
従って、契約をしても契約書を作成しなければ、印紙税を納めずに済ませることができます。
しかし、現実には双方の合意事項の確認のために契約書を作成するのが常であり、経済社会では商慣習となっています。
なお、契約書に収入印紙を貼らない場合は脱税となり、ペナルティとして過怠税を徴収されることがあります。
また、収入印紙に消印をしなかった時も過怠税の対象になります。
ちなみに、税法は国家と国民の間の法律であり、このような法律を「公法」と言います。
一方、契約が有効か無効かなど、私人の権利関係を定める民法や商法などの法律は「私法」と呼ばれます。
ところで、収入印紙を少なくするため、契約書の原本を一部として当事者の一方が保管し、他方はコピーで済ませるという方法があります。
ただ、この場合はコピーの証拠能力を保持するため、契約書の原本とコピーのそれぞれのページを接合させた部分に、双方の契約印を押します。