とあるところに実在する美術館でのお話です。この美術館にはエレベーターがあるのですが、そのエレベーター普通のエレベーターと異なるところがあります。何だと思いますか?

 それは「ドアの開閉ボタンが無い」ということです。ドアの開閉ボタンがないということは、乗った人が自らの手でエレベーターのドアを閉めることが出来ない、ということです。閉まるのを待っている必要があります。
 
 ではなぜこの美術館のエレベーターには開閉ボタンがないのでしょうか?それにはまずエレベーターのドアの開閉に関する、基本的なルールを知る必要があります。
 
 エレベーターは開閉ボタンを押してからドアが閉まるまでに約「1秒」かかるそうです。この「1秒」という時間をどう考えるか?がポイントとなります。
 
 この美術館の館長はエレベーターに開閉ボタンが無い理由として次のように語っています。
 
 「あなた方(来館者)は、絵画や彫刻などの美術品を見て、ゆっくりとリラックスする為にいらっしゃったんでしょ?なのにエレベーターのドアの開閉に要するたった『1秒』がなぜ待てないんですか?もっとおおらかな気持ちになりましょうよ!」
 
 このような理由からこのエレベーターには開閉ボタンは付いていないそうです。
 
 とかく日本人は「せっかち」な国民です。リラックスするために来た場所でも、ついせかせかしてしまいます。
 
 この館長が言うように「自発的」におおらかに生きる工夫をすることも、大切なのではないでしょうか?