誰か勤労感謝を説明して下さい
朝礼ネタ2285 2021/01/01 12月11月23日は勤労感謝の日です。
それではどなたか勤労感謝の意味を説明してくれますか。
働く人に感謝する日?
働いて得た報酬に感謝する?
それとも勤労そのものに感謝するの?
仕事がある事は有難いと思わなくっちゃ、という事でしょうか。
もう一つはっきりしませんね。
国民の祝日に関する法律というものがあって、勤労感謝の日は
「勤労をたっとび、生産を祝い、国民互いに感謝しあう」
ことを趣旨とする祝日であるとなっています。
そうするとどれも一応は間違いではないようです。
ところで11月23日は宮中でも祭祀・新嘗祭(にいなめさい)が執り行われます。
新嘗祭は今では天皇家のプライベートな行事の扱いですが、
戦前は国の主権が天皇にありましたから、
当然国の行事として最重要な位置付けが為されていました。
その発祥は不明ですが天皇家の祭祀ですから歴史は古く、
西暦720年に完成した日本書記に記録として初めて登場します。
その日、天皇はその年の五穀の新穀を神に供えると共に、
天皇自らも一緒にこれを食して収穫に感謝します。
昔の日本では、国家経済の基盤は、現代の様に工業生産品ではなく五穀、特に米でした。
国の根幹を支えるこの五穀の作柄は国勢を左右しました。
ですから天皇は国家や国民を代表して、その御先祖の神様と新穀を共に食する事で、
その年の収穫を祝い来年の豊作を願うのです。
実は、勤労感謝の日はこの新嘗祭が基になっています。
戦後、天皇と国家・国民の分離が、GHQの統治政策の柱の一つでした。
その動きの中で、宮中の新嘗祭とは別に国民の行事として勤労感謝の日が制定されました。
勤労感謝の日とは、実はそれほど奥深くて、神聖で、大切な日だったのですね。
今ではお米は、食べないでも別段困らないどころか、
糖質ダイエットとかでゴハンが目の敵にさえなっています。
お米はもはや国を支える中心とはなり得ませんが、
勤労は国民一人一人のそれが寄り集まって最終的に国の力となるものです。
現代の日本が曲がりなりにも先進国のひとつになっているのも、
これまでの日本国民の勤労の賜物です。
そんな風に考えていくと、
色々課題があるものの一応平和で豊かなこの国を作り上げた、
「勤労」というものに感謝する意味が分かったような気が、私はするのですが。