早起きは三文の得には、続きがあった
朝礼ネタ2007 2021/01/01 故事ことわざ皆さんご存知のことわざである「早起きは三文の得」には、じつは続きがあるということをご存知でしょうか。
それは、正確には「早起きは三文の得 夜なべは十文の損」と言います。「夜なべは十文の損」についての詳しい説明は残っていませんが、三文の得については諸説があるとされています。
なかでも「三文の得」の由来として挙げられている面白い一例をご紹介いたします。
いにしえの奈良は都としての繁栄を築いていた都市であり、その頃から鹿が多く定住していました。奈良では、「鹿は神の使い」として保護されていたこともあって、鹿が何らかの原因で死ぬことがあったとき、その鹿の死体が偶然に自分の家の前で発見されると、その家主は罰金として「三文」を徴収されるという掟がありました。
そこで各家の主は皆早起きして、自分の家の前を確認し、鹿の死体があったときには、こっそりと隣の家の前に移動させたと言われています。そうすると、移された隣の家の人も早起きをして、また死体があればこっそりとその隣に移動させ、更にその隣の 人もまたその隣にと順番に行なっていき、最終的に一番遅く起きた家の住人が罰金を支払わねばならなかったのでした。
このことから「早く起きると罰金三文を払わなくて良い」、すなわち「三文得することになる」と言われるようになったとする説が有力であると言われています。
奈良の人たちが、早起きしては鹿の死骸を他人に押し付けるようにして、三文を浮かせようとしていた光景を思い浮かべるだけで、とても滑稽に思えてしまいます。
今となっては全くその当時の様子や様相とは違った意味ではありますが、早起きをして損をすることはなさそうですね。