ミノムシは昔は鳴いた?枕草子より

  • 追加
  • ミノムシは、今ではほとんど見かけなくなってしまいましたが、一昔前には秋冬の時期になれば、独特の見た目で、木の枝などに糸を垂らしてぶら下がる姿がとてもユニークでともすればかわいいものでした。

    平安時代の女流作家である清少納言の枕草子にも、ミノムシについて、次のような記述が残されています。

    「蓑虫、いとあはれなり。鬼の生みたりければ、親に似てこれも恐しき心あらんとて」「『ちちよ、ちちよ』とはかなげに鳴く、いみじうあはれなり」

    いにしえの日本では、ミノムシは鬼の捨て子とされ、秋風の吹く頃になると「父よ、父よ」と父親を慕って鳴くとされていたのでした。無慈悲な親に粗末な着物を着せられたかわいそうな子どもの姿になぞらえて見えたからかとも言われています。

    もっとも、現代の生物学の常識として、ミノムシ自体も発声器官が備わっていないことが分かっているものの、国語の季語では「蓑虫鳴く」というものの規定があります。

    ちなみに、ミノムシの正体は、ミノガ科の蛾の幼虫であり、とりわけ、オオミノガであったり、チャミノガの幼虫のことを指しています。秋になると、細い木の枝や枯れ葉で身の回りに蓑を作るので蓑虫と呼ばれるようになりました。

    ただ、夏に羽化して蛾になるのは雄だけで、雌は蓑の中で一生を過ごします。

    それにしても、ミノムシが自らを捨てた親を乞いて鳴いているといった独特のセンスは、平安の頃の人々の風流が生んだ賜物であると言っても過言ではないのかもしれません。




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