聖徳太子のエピソードが教えてくれること
朝礼ネタ1788 2021/01/01 故事ことわざコミュニケーション自己啓発聖徳太子には、次のような有名なエピソードがあります。
聖徳太子が人々から請願を聞く機会がありました。
聖徳太子と直接話せる貴重な機会を手に入れた人々は、我先にと同時に喋りだし、その数は10人に上りました。
それに対し、聖徳太子は全ての人が発した言葉を一度で理解し、それぞれに的確な答えを返したそうです。
これ以降皇子は豊聡耳(とよとみみ、とよさとみみ)とも呼ばれるようになったと言われています。
このエピソードは、一般的には聖徳太子の類まれなる頭脳明晰ぶりを表すものだと考えられています。
ですが、私はこのエピソードからは聖徳太子の別な側面を窺い知れると思います。
聖徳太子は、国を動かす強大な権力者でもありました。
彼ほどの地位になれば、他人の意見を聞かずとも独断で政治を進められたはずですが、このエピソードからわかる通り、周囲の意見に耳を傾けることを大切にしていたのです。
10人もの話を聞くとなると、相当骨が折れる作業だったと想像できます。
なかには、聖徳太子にとって耳の痛い意見を述べてくるものもいたに違いありません。
それでも、聖徳太子が全員の話に耳を傾けたのは、他人を広い心を持って受け入れる「寛容」を重視していたからではなでしょうか。
自らが中心となって制定した17条の憲法の中で、和を以て貴しとなす、と記しています。
何事もお互い争わず協力して行こうというこの理念は、聖徳太子の寛容が表れたものだと考えられます。
職場にも、様々な個性を持った人がいて、一人ひとり違う意見を持っています。
聖徳太子のように10人同時とまでは行きませんが、一人ひとりの意見にしっかりと耳を傾けていきたいと思います。
寛容の心は、現代の私たちにとっても、是非大切にしていきたい精神だと考えています。