名前が与えるイメージ
朝礼ネタ1575 2021/01/01 営業地域情報趣味光を発する昆虫、ホタルは夏の風物詩として親しまれています。
オーストラリアやニュージーランドには「土ボタル」と呼ばれる昆虫が生息しており、やはり光を発します。
土ボタルが住んでいるのは洞窟の天井です。発光する土ボタルを下から見ると、まるで星空が広がっているように見えます。
さしずめ天然のプラネタリウムといったところでしょうか。
これを是非見たいという人も当然たくさんおり、オーストラリア、ニュージーランドでは観光資源として利用されています。
ところで、「土ボタル」というのはあくまで俗称であり、正式名称ではありません。
ヒカリキノコバエ属に属する昆虫のことを「土ボタル」と呼ぶのです。
光を発するから「ホタル」の名が使われているだけで、実際にはホタルではなくハエの仲間なのです。
ヒカリキノコバエの幼虫が発光するのはルシフェリンという成分によるもので、これはホタルと同じです。
この光に誘き寄せられた昆虫は粘液に絡め取られ、食べられてしまいます。
人間にとっては美しい光でも、昆虫にとっては死の光なのです。
ところで、「土ボタルを見に行こう」と「ヒカリキノコバエを見に行こう」では、同じ意味のことを言っているにも関わらず印象が異なるとは思いませんか?
「ハエ」は一般的に害虫として知られており、あまり良いイメージを持たれることはありません。
人間は物の本質よりも、「どういう名前で呼ばれているか」にこだわることがあります。
つまり、何らかの商品を売りたい時、商品自体の性能だけではなく、「どういう商品名をつけるか」も非常に重要になってくるということです。