めでたくてめでたくないお正月

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  • 一休宗純をご存知でしょうか?

    一休宗純はアニメ「一休さん」のモデルにもなった室町時代の禅僧です。

    アニメでは様々な難題を自慢の「とんち」で次々に解決する礼儀正しく賢い少年として描かれている一休さんですが、実際の一休宗純はそれとは真逆の破天荒な人物でした。

    本来僧侶は殺生も妻帯も禁止されていますが、一休宗純は鯉を食べたり、80歳で子供を作ったりとやりたい放題、欲望に忠実な人であったとされています。

    一休宗純は、当時はもちろんのこと、現在の感覚でもまさに破戒僧といえるような人物ですが、ただの無法者なら歴史に名を残すはずはありません。

    一休宗純は物事のうわべではなく、本質を真摯に見つめ続けた人物でした。

    その一休宗純がお正月に関する詩を一句残しています。

    「門松は 冥土の旅の 一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」

    一里塚とは、当時の道に1里(およそ4km)ごとに建てられていた標識のようなもので、この歌は「(めでたいお正月のシンボルである)門松は(残りの寿命が1年短くなり)死に近づくチェックポイントでもある。(お正月は)めでたいものであり、同時にめでたくないものでもある」

    こう聞くと「めでたいお正月気分にわざわざ水を差す無粋な歌だ」と思われる方もいらっしゃるでしょう。

    確かにその意見も一理あります。

    しかし私は思うのです。

    この歌は「人間は、めでたい正月、つまり幸福の中であっても浮かれずに、物事の有限性の認識」の重要性を伝えたかったのではないかと。

    いずれ死ぬ命であるからこそ、その日までの1日1日を真剣に生きてゆくべきだと私は思っています。




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