企業のスタイルを変えると後戻りできない
朝礼ネタ989 2021/01/01 経営各企業にはその企業のスタイルや価値観があります。そのスタイルを変えることは相当の覚悟が必要です。
二つの例を述べます。高級衣料品店があります。この店では安いものを販売していません。来店するお客さんも高級品思考を持った人が多く訪れます。しかし売上げは低迷し始め、経営者は安いものも販売しようと考え、月に一度バーゲンセールも行うことに決め実行しました。結果は客層が変わり高級志向のお客は離れ、売上げも伸びずバーゲンの時しか売れない店になりました。経営者は失敗したと判断し、元の高級衣料品専門に戻しましたが、昔の客が戻るまでに5年かかったそうです。
もう一つはディスカウント衣料品店が、やや高級衣料品の品揃えをはじめ、月一度のディスカントもやめました。結果は悲惨なものでした。バーゲン買いのお客さんは消え、高級品は全く売れません。売上げはジリ貧で経営自体も危うい状態になっています。
企業が年月をかけて築き上げた、その企業のブランドや価値観はお客さんのイメージに根付いてしまうと、企業名や店名やブランドで価値を判断するので、その価値を変えてしまうと今までの信頼まで消えてしまうのです。とても怖い現象です。
つまり企業は自社のブランドや価値感を変えずに路線や展開を時代に合わせて変えていかなければならないのです。同じことをやり続けても数字は上がらない時代です。
この衣料品販売の二つの企業の例を見て、今一度会社の理念や価値観を見つめなおし、その上で何をするのかを考えてゆきたいと思います。