朝礼ネタ朝礼ネタ 3分間スピーチの例文集

 

敵と味方、全ての力を結集して

  朝礼ネタ5846  2024/05/27  尊敬する人経営

江戸時代の終わり頃、あの姫路城がある姫路藩は今でいう財政再建団体の状態でした。その負債は73万両、現在の金額で約480億円で、
藩の年間全収入全てをその返済に充てても7年かかるという巨額なものでしたが、藩政を担う家老ら重臣たちは倹約令と新田開発といった、
当時至極当たり前だった従来型の対策しか行いませんでした。
これでは借金の利子さえも払い切れず、財政状態は改善されずに負債は増えるばかりです。

そんな状況の中、藩主により家老に抜擢されたのが河合道臣(かわいみちおみ)でした。
彼はそれから約7年間で、返済不能と言われたこの膨大な借金を完済したのです。
彼が行った政策は倹約令のような引き締め策ではなく、民間産業の育成など積極的経済活性策でした。

例えば元からあった姫路の地場産業である木綿産業の構造改革で、
大坂商人に牛耳られていた流通を変え、巨大市場の江戸に直接流通させることでその発展を図りました。

いつの時代でもこの種の改革は既得権益者たちの反対と妨害が常です。
大阪の商人とこれとつるむ地場の木綿業者たちから道臣は当初総スカンを喰います。
しかし道臣は根気よく先ず地場の業者に説いて味方につけ、大坂支配から脱却して彼らの利益を増やすことに成功しました。
同じ手法で養蚕、藍染め、陶芸などの産業も振興していきます。

また領民に広く協力を持ちかけて資金や備蓄米を集め、領民相手の低利の生活資金融資の仕組みを創り、
災害飢饉対策の米備蓄を進めました。

こう見ていくと道臣の政策の特徴が分かります。
つまり上から目線の単なる藩命令によってではなく、業者や領民たちの力の結集により政策を進めていることです。
改革や方針変更があった時、ともすれば反対勢力になるはずの既得権益者や、被支配層の領民の力を逆に集めて使っているのです。

彼の人事政策でのあるエピソードがあります。
藩内役所の各部署で意見や行動が周囲と噛み合わず鼻つまみとなっていた人たちを、
他藩とのトラブル対策担当に抜擢したところ、彼らは見事に難題を解決したのでした。

組織の活動には往々にして反対者の非協力や妨害があります。改革など大きな変化が必要な時はなおさらそれは強くなります。
そんな力への無視や排除は方法論として簡単ですが根本的な解決にはなりません。
それらマイナスパワーも内に取り込む事が、組織の将来にわたるより大きな、そして安定したパワーを生むことになるようです。
私たちの仕事にも大いに参考になる話だと思います。

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