生まれ変わった祖母から学んだこと
朝礼ネタ5286 2023/02/21 尊敬する人今日は、私の祖母についてお話ししたいと思います。祖母は92歳です。高齢なので、両親は一緒に住むことを提案したのですが、気をつかうから一人がいいと言って、宅配や家事代行サービスをうまく利用して、一人暮らしをしています。
祖母は、歌舞伎や韓国ドラマを見るのが趣味です。しかも、70代から始めたパソコンを使い、同じ趣味を持つ人と連絡をとりあい、オフ会もしています。80代の頃にはオフ会仲間と韓国に旅行も行っていました。趣味仲間とは、ハンドルネームで呼び合い、とても90代の人とは思えません。人生を楽しんでいて、見た目も中身も若く、私にとって尊敬する祖母です。
でも、実は祖母は初めから元気な祖母だったわけではないのです。私が幼少の頃までは、とても心配性で娘である私の母にいつもあれこれ心配事や愚痴のようなことを言っていたことを私も覚えています。
そんな祖母に転機が訪れたのは、今から30年ほど前です。祖母が60歳ぐらい、私が小学校低学年のとき、祖母は大きな病気にかかったのです。その病気は大腸がんで、全身麻酔の大手術をすることになりました。
私は幼かったので、後から聞いた話ですが、手術前、心配性だった祖母は手術が怖く「もう死ぬんだ」という気持ちで病室にいたそうです。すると祖父が、窓の外を見て、眼下の歩いている人たちを指し「あの人たちだって、実際何があるかわからないんだよ。これから死のうと思って歩いている人もいれば、わが子を亡くしたばかりの人もいるかもしれない。」と話したのだそうです。
それを聞いた祖母は「確かにその通りだ。自分の手術は成功率も高いのに、悪いことばかり考えて心配していた」と思ったのだそうです。さらに祖父は「君は何でも気にしすぎるから、これからの人生は生まれ変わったつもりで、生きなさい。」とも話したそうです。
そして、無事に手術を終えた祖母は、祖父の話をそのまま実践し、明るく前向きな生き方をするようになりました。ガンも再発することなくこれまでずっと健康です。今も、ごくたまに心配性が顔を出すことがありますが、先ほどお話しした通り、元気いっぱいです。
私が祖母から学んだことは「人は変われる」ということです。これほど元気な祖母を持ちながら、私自身は仕事の上で落ち込むことや悩むこともあります。それでも、いつも「人は変われるんだ」と信じて、少しずつ進んでいます。