「履物をそろえること」と「5S活動」の心得について
朝礼ネタ4844 2021/10/13 故事ことわざ経営皆さんも、どこかでお聞きになられたことがあるかもしれませんが、出だしの文句が
「履物をそろえると心がそろう」
という言葉で始まる格言があります。
「心がそろうと履物もそろう」
と、言葉は続きます。
想像してみてください。
玄関先で靴が一足ずつ整然と並んで置かれている様子と、乱雑に脱ぎ捨てられたように、あっちこっちに靴が散らばって置かれている様子とを。
私には、乱雑に置かれた靴の様子からは、靴を脱ぎ捨てて乱暴に、あるいは慌てて駆け上がって行ったでしょう靴の主の動作や表情までが、目に浮かぶようです。
かたや、整然とそろえて置かれた靴の様子からは、靴を脱ぐときの所作や身のこなしが見えてきます。
あるいは、乱雑に脱ぎ捨てられた靴を、どなたかが一足一足、丁寧にそろえて置かれたのかもしれませんが、そのそろえておられる方の姿が、目に浮かんできます。
さてここで、皆さんは「5S」という言葉を聞かれたことはありますか?
「5S」とは整理、整頓、清掃、清潔、しつけ、という5つの単語の頭文字のSをとったものです。
この5Sは、会社や組織が一丸となって、皆で取り組もうということから、「5S活動」とか「5S運動」なんていう言い方をされています。
先の「履物をそろえる心」に通じるところがあるとお感じになられた方もいらっしゃることでしょう。
そんなんです。
格言では
「脱ぐ時にそろえておくと履く時に心が乱れない」
と、さらに続きます。
5S活動は特に工場などの生産・製造現場で行われることが多いと思われる方もおられるかもしれませんが、決して工場や製造の現場に限ったことではありません。
たとえば、オフィスの中で、ドキュメント・ラックやデスクの外にも内にも、5Sの心は生かされることにお気づきでしょう。
そうです。
身の回りの、整理、整頓や清掃、清潔、しつけは、例の玄関先の履物に限ることはなく、皆さんが働く現場のありとあらゆるところに、息づいているのです。
皆さんの、毎日、毎日のほんのわずかな気遣いや心遣いが集まることによって、つまり、皆さんの「心がそろう」ことで、明るくて働きやすい職場環境が実現することでしょう。
そう信じて毎日の仕事に励みたいものです。
了