失敗の本質とはなんでしょうか
朝礼ネタ4707 2021/06/09 心理・メンタルビジネス「失敗の本質」という本を読んだことはありますでしょうか?
これは太平洋戦争時の旧日本軍が当時どのような意思決定や判断を行い、戦争を泥沼に突入させて、結果的にあの悲惨な状況に追い込まれていったかを詳細に分析した本です。
この本の中で言われている、失敗の本質は大きく二つあると記憶しています。
まず一つは、責任の所在があいまいであった点です。
現場である最前線の将校と、指揮系統の中枢である大本営との間で、日和見主義的にお互い任せきりにして、最終的な判断を自分で出来なかったことです。あの人が言うからそれに従おうという、他人まかせの行動で進んでしまいました。
もう一つは、損切りが出来なかったことです。戦局が悪化するにつれてどう見ても撤退したほうが良い状況が出てきましたが、日本軍は撤退できずに、悲惨な玉砕という行動にまで及びました。これは極端な例ですが、各所で、今まで費やした苦労や費用が惜しくなり、その戦術を捨てきれずに固執して泥沼にはまっていった点が多く見受けられます。
このような結果から我々が学ぶことが出来るのは、単に戦争の悲惨さだけではなく、企業活動においても大いに参考になります。私たちは多くの判断をしていかなければなりませんが、間違っていることを指摘できる組織なのか、またその行動に対して誰が責任を取るべきなのか共通の認識を持っていないと、気づけば後戻りできない状況に陥っていたということは多々あります。また、間違っていたと気づいたときは勇気をもって撤退するという判断をすることも重要だと感じました。