本田宗一郎の傷だらけの左手
朝礼ネタ4584 2021/02/09 自己啓発ホンダの創始者、本田宗一郎の左手は傷だらけだったと、ある本で読みました。
カッターで指先を切り落とし、ハンマーで爪を叩き割り、
機械に挟まれて骨を砕き、旋盤の刃先が手の甲まで貫通したなど、
その他にもどんな怪我だったのか覚えていない傷が無数にあったといいます。
その手を見ながら宗一郎氏は、
「右手は仕事をする手、左手はそれを支える受け手なんだ。
夢中になって仕事をしている時には、左手のことなんか考えていない。
だからいつも左手がやられちゃう」
と語っていました。
一方で、宗一郎氏自身は、
「僕は常に自分の手で、体験の中から真理をつかんで来た。
だからこの手は僕のやってきたことを何でも知っている」
と言っています。
引退後、彼は世界中のホンダ社員に会うため各国を巡りましたが、
ある国の工員と握手をしようとした時、その人が油で汚れた手を洗いに行こうとしました。
宗一郎氏は油だらけの手が好きなんだと言って、そのまま工員の手を握りました。
工員は涙をポロポロ流したそうです。
宗一郎氏が現場で頑張っている下積みの人々を大切にし、
いかに誇りに思っていたかが良く分かるエピソードです。
素晴らしい仕事をするのは確かに表舞台の右手なのですが、
それ補助する黒子の左手なくしては仕事自体が成り立ちません。
見返りの少ないそんな左手の大切さを、宗一郎氏は十二分に理解していたようです。
皆さん、一度左手を全く使わないで1日過ごしてみましょう。
左手の有難さが身に染みることでしょう。