自分だけ安全地帯にいると思ったら大間違いだった
朝礼ネタ3956 2021/01/01 心理・メンタル 私の知り合いの30代の男性で、片道一時間くらい電車に乗って会社に通勤している人から聞いた話です。
通勤時間が長いのはたいへんなんですが、幸いにも都心の自宅から地方の会社への、いわゆる逆方向通勤だったため、わりと電車が空いています。
毎日席に座って通勤できているそうです。
ですから、もちろん座れて楽ちんだし、さらに満員電車で痴漢に間違えられる心配がないのがありがたい、と当初彼はそう考えたそうです。
彼は、前に痴漢冤罪(えんざい)事件を扱った映画を見た事があり、以来痴漢に間違えられるのをかなり警戒して、満員電車に乗るときはなるべく両手でつり革につかまるようにしているくらいなのです。
そんな彼ですから、毎日空いた電車で座って通勤できると考えたとき、自分だけ安全地帯に逃げ込んだようで少し申し訳ないくらいに思ったそうです。
しかし、ある朝いつものように電車のシートに座って、眠りながら通勤していたときの事です。
曲げている膝小僧の部分より少し胴体に近い部分が、くすぐったく感じました。これは何かそう固くないものが、ズボン越しに足に軽く触って、微妙に前後左右に動いているせいでした。
まだ半分眠りながら彼は、半ば反射的に膝の上を手で軽く払ったんだそうです。
そして、目を開けてみてわかったことは、膝にさわっていたのは、彼の真ん前に立っていた女子高生の制服のスカートのすそだったんですね。
つまりとっさにミニスカートを手で払ってしまっていたのです。
彼はあまりに驚いたものでうまく言葉がでなくて、やっとなんとか「失礼」とだけ言えたそうです。
相手の女子高生は、もやはりかなり驚いていて、ちょっとムッとした顔をしていたものの、何も言わないでそのまま、少し後ずさりしただけだったそうです。彼女は特に不良っぽい事もない普通のお嬢さんと言う感じの人だったそうです。
そんなに混んでいるわけでもない電車の中で、なぜスカートの裾が座っている人の足にかかるほど、座席に接近して立っていたのかは謎ですが、とにかくそんな経験は彼には初めてでした。
結局、何の問題にもならなかったのですが、それは相手がよかったからで、人によってはここで大騒ぎになっていたかも、そう考えたて彼は、後からゾッとしたそうです。
「自分だけ安全地帯にいるなんて、そんなうまい話なかなかないもんだよなぁ。」と、彼は言っていました。
なるほど、そういうものかもしれないなあと私も思います。
「しめしめ、自分だけ安全地帯にいるぞ」と感じたときは、皆さんも私もそれで油断しないよう気を付けた方がいいかもしれません。