人の脳は、データ消去ができないDVD-R
朝礼ネタ2639 2021/01/01 自己啓発映像や音楽を録画できるDVDやCDには、データの記録、変更、消去を繰り返しできる"RW"と、
1回限りの記録しかできず、変更や消去のできない"R"があります。
ところで記憶するという機能に関しては、人の脳もDVDやCDと同じなのですが、
先日読んだ本に、人の脳は"R"タイプだと書かれていました。
確かに私たちは、過去に見聞きし体験したことを記憶しており、それを消去することはできません。
思い出せないことはありますが、それは単に忘れているだけで、
DVD-RWのようにデータが全く消去されるのとは根本的に違います。
大昔は人の寿命は今よりもっと短く、その上に社会の変化もずっと緩やかだったので、
人は人生の半分ほどまでに生きて行く術を獲得し、
あとの余生でその術の無駄を省き、洗練向上させることで、
上手く人生を全うすることができました。
だから人の脳は"R"タイプとして進化してきたのだそうです。
ところが、人の歴史の中でも極々最近になって、社会の変化が恐ろしく早くなってきました。
そしてその変化は時に、それまでの常識が役に立たないほど急激なこともあります。
そうなるとそれまでの経験や知識はしばしば厄介ものとなってしまいかねません。
"R"タイプである人の脳はその記憶を消去できませんから、どうしても過去のそれに縛られてしまうのです。
今後、身の回りの環境の変化速度は、もっと増していくことでしょう。
人の一生の中で、そんな変化に必ず出会ってしまうと考えるのが妥当です。
脳が元来"R"であるなら、余程意識して自分の常識を変える努力をしなければ、
私たちは人生を全うできなくなるかもしれません。