緊急時、危険回避の行動が上司命令に違反する時、あなたはどうしますか?
朝礼ネタ2607 2021/01/01 規則・ルール航空自衛隊ブルーインパルスの曲技飛行は、
上昇降下、散開集合、宙返り反転など全ての飛行を、隊長の命令の下に行われています。
1982年基地航空祭で大観衆が見守る中、曲技飛行中に事故が起こりました。
6機のジェット機が一斉に垂直降下し、
地上すれすれで花が開くように四方八方に各機が散開する下向き開花という曲技飛行で、
1機の飛行機が機首を起こし切れずに墜落、パイロットが死亡しました。
原因は隊長の命令の遅れでした。
隊長機以外の5機は、隊長機の位置を見ながら各機に定められた位置取の編隊で垂直降下しています。
そして「ブレイク・レディ」の後の「ナウ」という隊長の命令で一斉に反転上昇に移ります。
この事故の時、その命令が本来のタイミングより3秒遅かったとされています。
それでもまだぎりぎりで反転可能な範囲ではあったのですが、
編隊の位置の関係で最も反転に時間のかかる機が地面に激突しました。
後の検証で、もう0.9秒早かったら墜落は免れたことが判明します。
軍隊では上官命令に従うことは常識であり絶対です。
しかし危険度の高い飛行が常のブルーインパルスでは、
自分が危険を感じた時には、その命令に従わなくてもよいとの了解がありました。
しかし事故機のパイロットは生前、緊急時の命令不服従可というこの事項には否定的だったといいます。
軍隊でそのような了解事項があっては、軍務に悪影響が及ぶというのが彼の考えでした。
彼が危険を感じながらも、遅れた命令に従ったのか、
それとも危険そのものを感じていなかったのかは、今となっては分かりません。
私たちの業務で命云々はないでしょうが、大切な業務に大きな支障をきたす緊急事態はあり得ます。
その支障回避の行動が上司の業務命令に反しており、
上司に判断を仰ぐ余裕がない時、あなたはどうしますか?