日本が世界6位の「排他的経済水域」を持っているのは、アホウドリのおかげ
朝礼ネタ2371 2021/01/01 社会・経済誰もが知っているとおり、ほかの国に比べ、地図を見ても日本の国土はとても小さいです。
世界の国の広さは、1位ロシア、2位カナダ、3位アメリカと続き、大、小6,852ある島を合わせても377,915km2の日本は61位です。
優先的に資源の利用や開発が認められている、国土から200海里までの領域「排他的経済水域」の広さは、1位アメリカ、2位オーストラリア、3位インドネシアと続きます。 国の広さが小さいにもかかわらず、4,447,000 km2ある日本の「排他的経済水域」の広さは6位です。 国の広さ約380,000 km2に対し、約12倍の広さを誇る「排他的経済水域」は、日本の25倍の国土を有する中国より広く、海洋国家として大国であることを示しています。
国土の広さが小さいにもかかわらず、「排他的経済水域」が圧倒的に広くなったのはある理由があります。
明治時代、ヨーロッパと貿易を行っていた日本は、アホウドリの羽毛がとても高値で売れたことをきっかけに、人がいないような島々を次々に領土として認めていきました。
当時、日本の産業は、近辺にたくさんいたアホウドリを捕まえ、羽を採ることでした。 追いかけて採っているうちに、いなくなった島のアホウドリを探していると、新しい島が見つかっていきました。 アホウドリの羽を求め、行き着いた太平洋に浮かぶたくさんの島々が、日本の領土になっていきました。
日本が、世界6位の広さを誇る「排他的経済水域」を持っているのは、日本近海に約4,000羽生息しているアホウドリのおかげです。 そんなアホウドリは、1962年に特別天然記念物に指定され、保護活動が行われています。
2018年4月、小笠原諸島の南鳥島周辺の「排他的経済水域」の海底に存在が確認されたレアアースは、「希土類」と呼ばれている17種類の元素の総称です。 中国が世界の生産量の約9割を占めている中、存在が確認された16,000,000トンを超えるレアアースは、世界需要の数百年分に相当します。
パソコンやスマートフォンなどの精密機器の製造に不可欠なレアアースは、「産業のビタミン」とも呼ばれています。 ハイブリット車のモーターなどにはネオジムやジスプロシウムが、ガラスの研磨にはセリウムが使われています。
採掘することが困難とされているレアアースが、将来採掘できるようになると、中国からの輸入に頼る必要がないかもしれません。 見つかった貴重な資源を有効に活用したいものです。