江戸時代に生まれた“商人道”を、営業に活かす
朝礼ネタ1976 2021/01/01 営業社会・経済経営今から約150年前の江戸は当時、世界2位とも、1位とも言われた経済基盤を築き上げ、継続させた時代でした。
現在でも世界各国を魅了している、日本の“武士道”精神ですが、当時の江戸では、“商人道”が生まれました。
この商人道の根本は、商いをし、成功を収めている江戸での商人富裕層が、格差が広がり続けていた、富まない人々へ向けた、
徹底した分かち合いの精神でした。
年老いた人、健康上の不安を抱えた人、日々の食べるものに事欠く人などに対して、
蓄えの安定している人々が組織を作り、食料を、自らの財産を出し合い、変わって備蓄庫に貯蔵したのです。
近江商人の「売り手よし、買い手よし、世間よし」の“三方良し”、の精神は有名な商売の極意ですが、
この、江戸の“商人道”も、自社の利益だけに固執しない、非常に視野の広い、同時に懐の深い眼差しに支えられた商いの精神でした。
江戸経済が世界に誇る隆盛を極められた背景には、江戸に生きる商人たちの徹底した商いへの本気があったことは言うまでもありませんが、
隆盛が継続した理由には、こうした、自らのみを守ったのではない、ゆとりの“商人道”が存在したのです。
ウィンウィンと言うフレーズを耳にして久しいですが、結局、自らのことのみを考える経営は、永続せずに、
短命であることは、知られています。
営業を行い、自社側から、
「君は、自社と先方の、どちらの営業?」
と、言われれば、本物です。
常に社会の動向に目を光らせ、自らの利益を社会に還元できる力を蓄えるための広い視野と洞察力を磨き続けたとき、
自社に初めて、安定した経営が訪れるのだと、胸に刻んで前進したいものです。