マーケットには必ず「空き地」がある
朝礼ネタ1695 2021/01/01 身近な法則社会・経済経営「空き地理論」という、ちょっとおもしろい名前のマーケティング理論をご存知でしょうか。
国内市場はすでに飽和状態なのだから、モノを売るには海外に活路を求めなければ、という話はよく聞きますし、ビジネスマンにとっては今や当然の認識でしょう。でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。国内市場は、ほんとうに、飽和状態なのでしょうか?
そもそも市場の規模とは、製品なりサービスなりが存在して、初めて明確になるものです。しかし、製品なりサービスなりがもうすべて出尽くした、なんてことあるでしょうか? 発掘すればいくらでも、未知の製品やサービスが生まれてくるに違いありません。
「空き地理論」が注目するのは、既存の製品やサービスのまわりに常に存在する、そうした未開拓の分野なのです。
たとえば、昔アイスクリームは、駄菓子屋で売っているのを子どもが買って、おやつ時に食べるものでした。ところが今はどうでしょう。大人が、食後のデザートに、高級レストランでアイスを食べたって、だれも不思議に思いませんよね。
アイスクリームという食材にとって、かつて存在した「大人」「夜」「高級レストラン」という「空き地」。目ざといだれかがこの未開拓の空間に気づき、それを新たな市場としたわけです。
たしかに、海外は魅力的な市場でしょう。でもまだ国内にだって、ただ気づかないだけで眠っているいろいろな「空き地」がある。そう考えたなら、日々の仕事の進め方にも何か変化が出てくるのではないですか?
ビジネスマンたるもの、そんな未開拓の「空き地」に、常に敏感でありたいものです。