今の高校野球に金属バットは必要か
朝礼ネタ1323 2021/01/01 スポーツ夏を本格的に迎えまして、スポーツの世界では高校野球の試合が連日行われています。
プロ野球も開催されているわけですが、同じ野球でも使用用具に大きく違うところがあります。バットです。
プロ野球が木製のバットを使用するのに対して、高校野球では金属バットを使っています。3、40年前までは高校野球でも木製の物を使っていました。
というか金属バット自体がまだなかったか、高価であったからだと思いますが、あるときから高校野球の世界では当たり前のように使用されるようになりました。
昭和48年頃、「木の枯渇問題が問題視され、なおかつ木のバットは折れることも多く、高校生には費用面で高くつく」という理由があって導入された経緯があったと記憶しています。
金属バットは当時5千円くらいで、今は約2万円です。木製バットはその半分か3分の1くらいの価格ですね。
ところが金属バットはその特徴として反発力が高く、木製バットよりもより打球の飛距離が大きいのです。
非力なバッターでもタイミングが合うとおもいのほか打球が飛んでしまうことがよくあります。
また木製バットでは、ピッチャーの投球を完全にとらえてバットの「芯」でボールを打たないと鋭い打球、遠くに飛ぶ打球とはなりませんが、金属バットでは「芯」の範囲が広いため、少々芯が外れて打ってもヒット性の当たりとなってしまうことがよくあります。
それで高校野球で大活躍したバッターがプロに入って、伸び悩むケースも決して少なくありません。
高校野球規則では使用を許可されているバットは、幾つかの製造法の制限はありますが、木製、竹製、金属製のものです。ですから一番反発力が高く、飛距離の出る金属性バットを皆使います。
たしかに飛距離の出るホームランや金属バットの鋭い弾丸ライナーなどは魅力的なのですが、日本のプロ野球や海外のメジャーのバッターが木製のバットで放つ、技術をともなった打撃、木のバットがジャストミートしたときのコーンとかカーンという、乾いた音に私は大変魅力を感じます。
高校野球の試合を見るたび、金属音である甲高いキーンと言う音だけは何十年経っても私はいまだ違和感を覚えてしまいますがみなさんはいかがでしょうか。
ちなみに金属バット主流の時代に、高校時代でも敢えて木製のバットを持ってバッターボックスに入っていた人を一人だけ知っています。何年か前に亡くなられた、ドカベンと言われた香川選手です。
思ったとおりプロ野球ルーキーイヤーからバッターとして大活躍しました。