誤用されることの多い「情けは人の為ならず」の正しい使い方
朝礼ネタ5936 2024/09/18 故事ことわざコミュニケーション昔から使われていることわざの中に『情けは人の為ならず』があります。文化庁の調査によりますと、45.7%の人がこの『情けは人の為ならず』の使い方を間違えているという結果が出ています。
『情けは人の為ならず』という言葉の意味を、『人に情けをかけることは決してその人のためにはならない』と解釈している人が少なくありません。つまり、情けを同情ととらえ、余計な手助けはしない方が良いとしています。
実は、『情けは人の為ならず』の情けには同情ではなく、思いやりという意味が込められています。
そして、『情けは人の為ならず』の正しい使い方は、親切な行いをしているといつか必ず自分に戻ってくるというポジティブな用途で使うことです。人は誰にでも親切にすることが良い将来に繋がるという教えです。
なお、このことわざは単なる精神論ではなく、科学的にも実証されています。大阪大学の研究によりますと、幼児の日常生活における行動を観察した結果、親切に対する人間の内面の習性が確認できたとレポートされています。
レポートには、「幼児は友達同士のやり取りの中で友達の親切を評価している」こと、「親切な行いをする幼児は周りの友達から親切にしてもらいやすい」こと、「自分が親切にすると周りの友達から同じ親切を返してもらっている」ことなどが記述されています。
人というのは、他人のために何かをすること自体に喜びを感じるものです。また、他人のために一生懸命努力している人の姿を見ると感動します。
そして、親切は相手の気持ちや立場を自分のことのように感じ、思いやりの心でもって行うものです。何かの見返りや利益を求めて親切な行為をしても、軽蔑されるだけです。
同僚や顧客に対するさりげない親切が豊かな社内環境の構築に繋がります。