適材適所のもう一歩深い意味
朝礼ネタ5708 2024/01/07 故事ことわざ誰もが知っている「適材適所」という言葉。広辞苑では「人を、その才能に適した地位・任務に就けること」と説明されていて、企業では社員に仕事をさせる際の要諦となっています。
社員の性格・素質、才能・能力、考え方などを加味して、それらを最も活かせる地位に就けたり、任務を与えたりするのです。
そうすることによって仕事の能率と成果が上がり、社員の意欲も向上して定着率も高まるというわけです。
ところでこの言葉は本来的には大工さんの仕事振りを表しているそうです。
家屋を建てる時には、柱、梁、棟木、間柱、垂木、筋交いなどなど、様々な木材が使われます。それぞれに使われる場所が違い、それによって必要な強さ、長さ太さが違ってきます。
おまけに木材は工業製品ではありません。自然の中で成長した樹木なのですから、捻じれ、曲がり、節、割れ、粘り、硬さと、その性質は千差万別です。それら個々の木材の性質を見極めながら、大工さんは家屋のどの部材としてその木材を使用するかを決めていくです。だから適材適所なんですね。
しかしもう一歩踏み込んだもう一つの意味が、この言葉にはあります。それはいかに無駄が無いように、材木を使い切るかということです。
切れ端の木っ端やカンナ屑、鋸引きのオガ屑まで、できるだけ捨てることのないようにどう使い切るかが、適材適所に含まれるといいます。
木っ端は材木を叩いて組み上げる時などの当て木や、家具小間物の材料に使い、木屑は燃やした灰を畑の肥料にします。
人材も、「アレはどうにも使いもんにならん」と諦めずに、何とか有効な活用を探し出すことも、適材適所のようです。