ベランダの花から学んだこと
朝礼ネタ5289 2023/02/24 趣味私はベランダで、植物を育てるのが趣味です。
特に好きなのはビオラで、毎年秋に苗を買ってきて植えています。ビオラの花は、秋から春まで、約半年もの間、繰り返し花を咲かせて楽しませてくれます。
なぜ毎年、買ってきて植える必要があるかというと、ビオラの花は一年で株が弱り、枯れてしまうからです。もし、ベランダではなく地面のある庭でビオラを育てたら、芽が出て次の年に花を咲かせてくれるかもしれませんが、うちの場合はベランダなので、毎年苗を植えているというわけです。
実を言うと、ビオラの花が終わる春に、今年こそこの株をこのまま枯らさずに秋まで株を持たせて花を咲かせる方ができないかと思い、毎年チャレンジしています。具体的に言うと、ビオラは夏の暑さに弱いので、夏の日中は、家の中に入れてみたり、氷で根元を冷やしてみたりしているのです。
それでも、ビオラはどうしても、夏を越すことができません。これは、単純に夏の暑さに弱いからだけではなく、きっと種を作るのに、多くの栄養を使っているからなのだと思います。
私が、そんなビオラの姿を見て感じたのは、「出し惜しみをしないことの素晴らしさ」です。ビオラは、私たち人間のように、自分の体力を使い果たして、立ち上がれなくなることを心配などしていません。ビオラはただひたすらに、種を残して、次世代に子孫をつなぐために全力を出し切っています。
私は正直に言うと、日々の仕事の中で、お客様が納得してくれたら、それでよしとしてしまうことがあります。例えば、商品の故障があったときに、お客様の使い方により不具合があったときには、交換ができないことを伝えます。それで、お客様に納得をしていただけたら、交換の提案はしていませんでした。
もちろん、マニュアルとしてはこのやり方で合っています。でも、ビオラのように「出し惜しみしない」ことを目指すなら、商品の不具合を訴えてきたお客様の表情までよく見て判断をしないといけません。
例えば、「使い方を教えてくれなかった」「このやり方をしたら壊れるなんて、そんなこと初めて聞いた」というガッカリした表情がないか、目を逸らさずに見なければいけないのです。
もちろん、原則として、お客様の使い方が良くなかった場合には、無料交換はできません。でも、お客様が商品を使いこなせるように、しっかりとご案内しておくことは我々の役割です。こちらのご案内不足がなかったかどうかを確認し、もしご案内に問題があったなら、誠実に対応するべきです。
私は、自分が枯れてしまうことなど一切気にせずに咲き誇り、種を残して枯れてしまうビオラを見て、自分も出し惜しみをしない接客をしたいと思いました。こちらが精一杯の接客をすれば、お客様は必ず応えてくれるはずです。もちろん、理由もなく無料交換をするわけにはいきませんが、よくお客様のお顔を見て、状況に応じた対応ができることを目指したいと感じました。