ウォーゲームから学ぶこと
朝礼ネタ5231 2022/12/28 教育コンピューターゲームの人気ジャンルの一つにウォーゲームがあります。
この種のゲームはシュミレーション・ウォーゲームとも呼ばれる様に、
戦争や戦闘を模したゲームなのですが、
元々は実際の軍隊で、戦術の演習や検討を地図上で行うために考案された方法で、
図上演習とが兵棋演習と称します。
これを日本に初めて持ち込んだのは、日露戦争の日本海海戦で連合艦隊参謀として活躍した、
戦術の天才・秋山真之でした。
彼は海軍大学の教官としても有名で、この兵棋演習を戦術の講義に取り入れました。
彼の教育方針は、
「戦術の講義をいくら熱心に真面目に聴いて知識を得たとしても、
多くの戦史を自分で読み解き、その知識を基にして考えに考え抜いて獲得した、
自分ならではの戦(いくさ)の理論には到底及ばない」、
というものでした。
そんな秋山は、学生なりに追求して獲得した考えに対しては、
それが自分の意見と違った場合でも及第点を与えたそうです。
だから兵棋演習を通じての生徒たちの自由活発な論議を秋山は重要視しました。
紙の地図上で駒を動かして行われていた兵棋演習は、
現代ではコンピューターの画面内で、歩兵や戦車や戦艦が、
入力された条件によって自動的に動くものに変わりました。
米軍の海軍大学では多数のコンピューターを使った、
一週間も続いて行われる大規模な兵棋演習があるそうですが、
その教育姿勢は、
「海軍大学とは教える場ではなく、真剣かつ活発な議論により、共に学ぶ場である」、
としています。
軍隊の大学は戦場で部隊を指揮する士官を養成する学校です。
前線での戦況は絶え間なく変化し続けます。
単なる上意下達の命令によってしか行動できない人間では、
そんな複雑な戦場で有効な指揮は不可能です。
つまり自らの判断で適切な判断行動が可能な人間が必要とされるのです。
私たち企業においてもこれらの事柄は、重要視されるべきだと思います。