陶器と磁器の基本的な違いは成分
朝礼ネタ4570 2021/01/25 ビジネス経営ネットショッピングサイトの食器のページによく「陶磁器」が載っています。
実は、この陶磁器のことを誤解している人が少なくありません。
まず、「陶器」と「磁器」は全く違うものです。
通常、焼き物の成分は長石、珪石、粘土の3つの成分からできています。
長石と珪石はガラスになる成分で、粘土は耐火性や成形性の特徴を持つため、器の形作りの役目をします。
この3つの成分の比率が陶器と磁器では異なります。
陶器は長石10%、珪石40%、粘土50%の比率になっており、磁器は長石30%、珪石40%、粘土30%です。
両者とも珪石は同じ配分ですが、長石と粘土の配分が違っています。
陶器は粘土が多いため、素地に目に見えない小さな穴が多くあり、吸水性の特徴を持ちます。
一方、磁器はガラス質の長石の比率が高いため、吸水性がなく、光を通します。
陶器は粘土が多いことで肉厚になりますが、磁器はその性質から薄く作られています。
ただ、穴が多い分、同じ厚さだと陶器の方が磁器より数段軽くなります。
また、陶器の小さな穴は熱を包む役目をするため、熱湯を入れても手で持って飲むことができます。
日本の伝統的な食器に「取っ手」が付いていないのは陶器だからです。
磁器は薄い上に熱が早く伝わるため、熱湯を入れると器を持つことができなくなります。
ヨーロッパは磁器の食器を使うため、「取っ手」が必要になります。
なお、陶器は素地が水を吸うため、カビが生えやすいという欠点があります。
磁器の方が扱いやすさの点では優れています。