目にしたモノは必ず真実なのか?
朝礼ネタ4198 2021/01/01 IT・テクノロジー読書・書評先日、有名な模型メーカーの田宮模型についての本の中で、自動車模型のちょっと面白い話を読みました。
皆さんご存知の通り、プラ模型はスケールモデルという、実物を正確な縮尺に基づいて小さく再現したものです。
だから本物と見紛うばかりの模型ができるのですが、
自動車の場合、正確に縮小すると本物に見えず、やけに不自然に長細い車体になるというのです。
ビルの上から下に走る自動車を見降ろした経験はありませんか。驚くほど自動車は長細いと思ったはずです。
なぜそんなことが起こるのかというと、日常の私たちの視点は低いからで、
その視点では車の実際の長さは感じる事ができないからです。
自動車の本当の長さは、いつもの視点で見たものではなく、真上から見降ろす視点でないと見えないということです。
私たちは自分の目で見たモノの感じをそのまま真実だと思い込んでいます。
しかし目には錯覚があります。錯覚で認知したモノは真実ではありません。
この様な錯覚は、見る事に限らず、聞く、読む、考えるなど様々な行動で生じる可能性があります。
人は自分が目の当たりにしたことを、そのまま真実だと思い込みがちです。
「だってこの目で見たんだから」、「この耳で聞いたんです」、「それはもう考えたさ」と安易に決めつけるのは早計です。
視点を変えると、自分の見えていなかった部分が見えてくるかもしれません。
立ち位置を変えれば、聞こえていなかった何かが聞こえる場合もあります。
考える方向を変えてみると新たなアイデアが浮かぶことはよくあることです。
何につけても、常日頃から自らの独善性や固定観念を戒め、
謙虚に冷静にそして柔軟に、身の回りの出来事を判断する術を身につけたいものです。